利用案内

閲覧規定

入会案内

蔵書目録

無窮会専門図書館利用案内

◆概要

 本会図書館は、明治期に於ける神道・国学の大家・井上賴囶の遺書「神習文庫(かんならいぶんこ)」全冊をはじめ、三宅眞軒小田小覺川合山内山遠湖牧野藻洲松平天行上野不先齋加藤天淵ら、三代の著名漢学者並びに、国学研究者・渡辺刀水などの諸先生が苦心して蒐集された遺書を擁しています。

 分野は神道・国学・国語国文・国史・漢籍の経史子集の善本を網羅し、邦人の手になる漢詩文や民俗学に渉り、更に明治以降の諸分野の研究書、各種雑誌に至ります。

※ 本会図書館は、歴史的な資料・史料を収蔵しています。
※ 児童書や絵本、現代文学作品など、一般的な市立図書館にある類の図書は所蔵していません。
図書館の利用に関しては[入会案内][閲覧規定]をご覧下さい。

 これら資料は、旧所蔵者の図書毎に分類されており、主要文庫については、下記の図書目録が刊行されています。

『神習文庫圖書目録』 昭和五十八年に、新訂版が名著出版より復刊
『眞軒先生舊藏書目録』 昭和八年刊
『織田文庫圖書目録』 昭和十六年刊
『平沼文庫藏書目録第一輯(川合槃山先生舊藏書目録)』 昭和三十一年刊
『平沼文庫藏書目録第二輯(内田遠湖・上野不先齋・渡邊刀水ほか諸先生舊藏書目録)』 昭和三十六年刊
『天淵文庫藏書目録』 昭和三十九年刊
『鎌田文庫蔵書目録』 平成七年刊

上記をすべてPDFファイルにまとめ、1枚のCD-ROMに収録した『無窮会専門図書館 蔵書目録(電子画像版)』が刊行されました。

『無窮会専門図書館 蔵書目録(電子画像版)』

5000円 ISBN 978-4-98619-190-5

収録している冊子版目録は

  1. 『眞軒先生舊藏書目録』
  2. 『神習文庫圖書目録』
  3. 『織田文庫圖書目録』
  4. 『平沼文庫藏書目録第一輯(川合槃山先生舊藏書目録)』
  5. 『平沼文庫藏書目録第二輯(内田遠湖・上野不先齋・渡邊刀水ほか諸先生舊藏書目録)』
  6. 『天淵文庫藏書目録』
  7. 『鎌田文庫蔵書目録』

の7冊分です。

これら冊子版目録の全頁を、《電子画像として》閲覧・印刷できます。

※電子画像版ですので、書名や著者名を文字入力して一括検索することはできません。

購入のお申し込みはこちら


◆各蔵書の特色

●神習文庫

井上博士の旧蔵書3万5千余冊を根幹とし、土岐僙氏寄託図書を加え、更に昭和10年の時点での三宅真軒翁旧蔵書を除く購入書の類など、約5万8千冊を内容とする。

文庫名は井上家の斎号であった「神習舎」にとる。

もと国学院大学教授、文学博士井上賴囶(1839~1914)。
夙に平田篤胤学派の正統を承け、明治期での神道・国学の泰斗と仰がれた人(『東洋文化研究所紀要』第八輯を参照)。

その生家は医家であったところから、旧蔵書の範囲はひとり神道・国学のみでなく、人文科学系の殆んど全分野に及び、博士自らの筆写を主とする稀覯資料の一大コレクション『玉麓』(280冊)を初めとして、貴重文献が山積し、利用頻度はズバ抜けて高い。

なお、終戦後所在不明となって、多年閲覧者に迷惑をかけてきた賀茂真淵関係などの諸文献も、近年無事一括回収、本文庫ほんらいの姿にたち戻ることができた。

●眞軒先生文庫

真軒・三宅正太郎氏(1853~1934)の旧蔵書約4万1千冊がこれで、昭和4年に購入された。

漢学者三宅真軒の略歴と稀にみる学力才能、異色あるその学風の詳細や、どれ程善本の入手のために腐心、努力したかなどは、目録の初めに掲げられた受業門人加藤虎之亮氏の長文がみごとに写している。

その蔵書は、徹底した実事求是の学風による実用目的に即して精選せられ、自ら、大部な叢書類の富贍、充実がめだつ。

たとえば、内鈔本『日講禮記解義』二〇冊、清初の碩学翁方綱(覃溪)自筆訂誤の稿本『蘇齋筆記』(22冊)の如き、又吾国の佐藤一齋の手沢本、東條一堂所著書、中井履軒の『六經逢原』(29冊)、龜井南冥・昭陽父子の『龜井經学叢書』(74冊)などを初めとする邦儒関係など、漢学の全領域に及び、文字通りの善本を網羅して遺すところがない。

●織田文庫

確齋・織田小覺氏(1858~1936)の旧蔵書2万5千余冊。

織田確齋は加賀出身の漢学者で、明治の中ごろ内務省官吏を退官ののち旧藩主前田家の学事顧問に招聘せられたが、多年、平沼騏一郎本会初代会長と同学の同志的関係に在り、本会発足の後は調査主任の重責を担い、新しい調査、研究活動の基本方針を定め、収蔵図書の積極的活用を推進した。

蔵書目録の末尾に詳しい事跡が添付せられている。

その学風は尤も崎門学を尊重し、同学派の講義筆記の類の蒐集に意を注ぎ、内田遠湖翁旧蔵書(後述)と併せて、朱子学、特に崎門学関係蔵書の豊富さでわが図書館の一大特色をなすが、他方では禅学を初め書道・謡曲などに迄、殊に中国文学の稗史・小説類への関心が高く、李卓吾評『全像忠義水滸伝』など、その分野での貴重文献を多数含む事実は、意外な程知られていない。

●槃山文庫(平沼文庫蔵書目録 第一輯)

昭和十四年の初め、平沼騏一郎本会初代会長が内閣総理大臣の重責を担ったのち明かにされた平沼文庫構成の意向に即し、真軒旧蔵書目録の上梓以後、会長が私費をもって本会のために購入した夥だしい図書のうち、川合槃山氏の旧蔵書1万5千余冊を『平沼文庫蔵書目録 第一輯』として収録、戦後の窮迫した財政事情にも拘らず刊行した。(索引は未完)

 槃山・川合孝太郎氏(1865~1940)の閲歴と異色ある学風については、該目録の巻首におかれた高弟松本洪氏の長文に詳しいが、尤も三禮と文字学とに邃く、蔵書も自然に小学・金石関係に重点がおかれ、この分野での昭和十年代中期までの出版物はほぼ網羅せられているといわれ、しかも愛書家でもあったことの反映から、本館蔵書の中で保存程度は最も良好と認められる。

氏は鳥取県出身で、旧姓田口氏。

明治期の大阪で三大儒者と目された一人、藤沢南岳の泊園書院に学んで塾頭となった後、同郷の先学川合清丸翁が東京で大道社を興したのを援けて、終にその女婿となり、傍ら大東文化学院・二松学舎専門学校・早稲田大学・東洋大学などに出講した。

本会東洋文化研究所の創設に際しても、数少い文字学の権威として招聘せられたが、説文段注を講ずること僅か一回だけで急逝せられ、内外から惜しまれた。

●平沼文庫第二(平沼文庫蔵書目録 第二輯)

 槃山文庫と同じく平沼会長よりの寄贈図書だが、第二輯として目録が作られている。

内田遠湖・牧野藻洲・松平天行・吉田学軒・上野不先齋ら本会に縁深い漢学者五氏と国学系伝記研究家渡邊刀水氏の蒐蔵に係るものをも含め、和・漢・洋に渉って約五万冊にのぼるが、諸先生の個性あふれる学風から、蒐集せられたこれらの図書は、量・質ふたつながら尤も多様、豊富であり、利用者の視角次第では意外な掘出しもの的資料の可能性もあり得よう。

殊に近世・近代を中心とする多数の筆写文献を含み、中でも、三代の朱子学者として鳴った内田翁による、山崎闇斎学派の断簡零墨的資料、特に諸経・伝に関する註疏や講義筆記の類のおびただしい筆写本や、春秋左氏学専攻の上野氏の手で徹底的網羅のなされた和漢先儒の左傳の研究書、また広範囲にわたって複雑多岐な内容の国学者伝記資料を含んだ渡辺氏の旧蔵書などは、この第二輯を特色づけるものであろう。

いま一つ挙ぐべきは、幕末~明治前期にかけて演劇改良運動の先覚者としても注目される漢文学者依田學海の全著作、特に自筆日記の大半、また手校本などが全273冊の『學海叢書』として収蔵せられ、日記には学海の長子美狭古氏の手に成る人物索引まで作成、添付せられている。

これらは、学海の高弟であった岡崎壮太郎氏(号、春石。大正・昭和前期の際の高名な漢詩人で「清風吟社」を創設、主宰した)の斡旋によって本会が受入れたものである。

●天淵文庫

 天淵・加藤虎之亮氏(1879~1957)の旧蔵書約1万6千冊。

その閲歴・学風などの大要は、該蔵書目録の巻首に詳しい。

静岡県の出身で、広島高等師範学校在学の時、教授三宅真軒の指導をうけ、また校長北条時敬に知られたことが、本会の発足に当って招かれて調査員となった後年の因縁の発端であった。

上京ののち本会勤務の傍、旧制青山師範・同武蔵高校(現武蔵大学)・大東文化学院・東洋大学などに出講し、戦後は東洋大学の学長にも就き、最晩年には本会の理事長をもって研究所長をも兼ねたが、他方では宮内省御用掛として宮廷(香淳皇后や秩父宮雍仁親王)に経史を進講すること、三十余年の久しきに及んだ。その学風は三宅真軒に負うところが多く、また漢詩人としては近代の詩宗、国分青崖の四天王の一人に数えられ、終戦後の一時期、東都の漢詩・文壇の牛耳を執った。

『弘道館記述義小解』『支那の貴族教育』など著述は多いが、中でも『周禮經注疏音義校勘記』二巻は、生涯の心血を注いだ周禮研究の一端であって、これにより文学博士を授与せられた。

その蔵書も、周礼関係は六十種に上って尤も具備するが、『十三経注疏』六種、『孝経』百四十種、『太上感應篇』九種など、異版の蒐集がめだち、他に各種の近代的論著も少なくない。

●鎌田文庫

 鎌田義勝氏(1907~1976)の旧蔵書。

鎌田氏は函館市出身。

ほとんど独学で旧制中学校国漢科教員検定試験に合格した力行の学究で、のち本会東洋文化研究所に学び、戦前、戦後に渉って旧制府立一中・新制都立大森高校に教鞭をとり、また戦後の明治書院に在って高校漢文教科書の類の編輯に独自の才学を発揮し、傍ら、本会評議員・同研究所特別研究員・図書委員として尽瘁せられた。

その旧蔵書には国・漢文教育関係や明治以降の新しい研究論著の類がめだつ。

[▲ページトップ]



(C) 公益財団法人 無窮会